なぜアメリカは捕鯨禁止を言い出したのか。それは、ただ単に自然環境保護や絶滅種の救出という美名の課題だけに因るものではない。
本当の理由は、マッコウクジラの脳漿(のうしょう)の確保なのである。大型クジラの一つであるマッコウクジラの脳漿は、戦車用の燃料オイルのや潤滑油の不凍液として貴重なものとして今も使われている。この零下60度になっても凍らない不凍液を人工的に作るには、今でも巨額の費用がかかると言われている。
人工的に製造しようと思えば出来るのだが、そうなると一兆円桁の費用がかかるという。だから米軍は既にこのマッコウクジラの脳漿を大量に確保して貯蔵している。このアメリカの安全保障(国防)に関わる重大問題として、キッシンジャー博士が早くから捕鯨禁止の外交活動を始めたのである。その為のグリーンピースなどの環境保護団体を上手に使ったのだとも言える。
スウェーデンの政治家でオーラフ・パルメ Olaf Palme という人がいた。この人は、スウェーデンの首相を務めた人で、1988年に二度目の首相選挙に出ようとしていた時に、白昼、ストックホルムの路上で暗殺されてしまった。
パルメ元首相は、当時騒がれていた、ベトナム戦争での米軍の枯葉剤の製造問題と、アメリカの核汚染物質の所在と、それからこの鯨から採れる不凍液の問題を知っていて、それを国際社会に訴えようとした矢先のことだったらしい。クジラにまつわる問題は、このような背景を持っているのである。
(エコロジーという洗脳 P197より)
反捕鯨とは「軍事問題」だった・・・・。
説得力がありますね。とてもすっきりしました。
(ご参考)
2000/09/13 日本経済新聞 朝刊 P.2
二年ぶりの日米安全保障協議委員会(2プラス2)で「日米同盟」の重要性を再確認したその日の日米外相会談で、米側が持ち出した調査捕鯨の拡大問題。米側が経済制裁をちらつかせれば、日本側も世界貿易機関(WTO)への提訴で真っ向から対抗する構えをみせる。クジラ論争がここまでこじれたのはなぜか。
日米外相は七月三十日に東京で会談したばかり。それでも「2プラス2だけではだめ。河野洋平外相と二人で話をしたい」と会談を申し入れたのは、オルブライト米国務長官の方だった。
米国には大統領選を控えているという事情がある。民主党副大統領候補に指名されたリーバーマン上院議員は反捕鯨運動の急先ぽう。大統領選に挑むゴア副大統領としても、環境保護団体や非政府組織(NGO)などからの支持取り付けに「反捕鯨」は格好の材料だ。制裁措置を検討しているミネタ商務長官は日系であるが故に、逆に日本には強く出ざるを得ない。
一方、これまでミンククジラを対象に調査捕鯨を続けてきた日本。政府が対象拡大に動いたのは、自民党農水族などの突き上げが背景にあった。実は衆院選前、米側から外務省には非公式に「米国の法律で保護対象になっているマッコウクジラとニタリクジラだけには手を出すな」というサインが送られてきた。しかし、農水族をバックにする水産庁は「外務省は過去の亡霊(米国の圧力)におびえている」と批判、結局はこの二種も対象に加える拡大路線を突っ走った。
政府・自民党内には「そもそも捕鯨を奨励したのはGHQ(連合国軍総司令部)だ。戦後、食糧事情が悪かったころ、米国は老朽化した巡洋艦などを改造し、日本に『捕鯨船』として提供したではないか」との反発もくすぶる。最近、英国の学校などで日本人の児童・生徒らが調査捕鯨拡大問題でいじめられ、外務省がその実態を調査しようとしても「捕鯨業者の生活がかかった問題に口出しするな」と待ったがかけられたという。
米側が特に問題にしているのは「調査捕鯨」という名目で鯨肉を売りさばいているのではないかとの疑いだ。八月二十二日付のワシントン・ポスト紙は「調査捕鯨は鯨肉を市場に並べるための隠れみのという見方が大勢だ」と強い調子で批判した。こうした疑問に丁寧にこたえていくことで、日米間に不要な摩擦を生じさせないようにし、同盟関係を「管理」していくことが一段と大事になってきた。
(ニューヨークで、 編集委員 泉宣道)
(キーワード)
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by hitotsunotachi
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